西原龍哉 の パレスチナ スタディー・ツアー


  

パレスチナ
 〜その3〜
 

  今回はエルサレムについてご紹介します。エルサレムは、言わずと知れた宗教都市。ユダヤ教・イスラム教・キリスト教の3つの宗教の聖地が存在します。

 ユダヤ教にとっては「嘆きの壁」があります。
 この地域には、2000年以上前にエルサレム神殿(ユダヤ人の神殿)がつくられましたが、A.D.70年にローマ帝国によって破壊されました。そんな中残った外壁の一部が「嘆きの壁」と呼ばれ、先人たちの苦労を偲ぶ神聖な祈りの場所となっています。


嘆きの壁

 イスラム教にとっては「岩のドーム」があります。
 イスラムの教えを説いた預言者ムハンマドが昇天したと場所と伝えられる「聖なる石」があり、それを守るために建てられたものが「岩のドーム」です。
 そしてその石には、ムハンマドの足跡が残されていると言います。メッカ、メジナと並ぶイスラム教の聖地となっています。

キリスト教にとっても忘れることのできない聖地です。イエスが十字架を背負い、ゴルゴダの丘(イエスが処刑された場所)まで歩いた道があります。
 そして、イエスが処刑されたゴルゴダの丘、イエスの遺体を寝かせた石、イエスの墓の三カ所を包み込むように聖墳墓教会がたてられています。
 ここが、イエス・キリストが教えを説き、そして十字架に処刑され、埋葬され、復活したとされる場所であります。

キリストが殉教後横た
わったといわれるところ


隣町ベツレヘムの生誕教会にある
イエスが生まれたといわれる場所

それぞれの聖地が、旧市街といわれる一キロ四方の中にあります。エルサレムの建物の外壁はエルサレムストーンと呼ばれる石灰岩でつくられています。(条例で定められています)
 旧市街は、その石灰岩で作られた城壁に囲まれ、そこには、キリスト教地区・アルメニア人地区・イスラム教地区・ユダヤ人地区と、異なる民族が助け合いながら住んでいます。
 その地域に一歩足を踏み入れると、まるで中世の時代にタイムスリップしたかと思うような不思議な雰囲気でした。

 そのエルサレムは世界中の35億人の信者が一度は訪れたいと願う都市であり、1981年には世界文化遺産に登録されました。
 ですから、世界中からの観光客でにぎわう観光都市でもあります。
 しかし、今回日本人の観光客とあまり会いませんでした、それどころか世界中からの観光客が減っていると聞きました。というのも、旧市街の入口には、ライフルを持ったイスラエル兵・パレスチナ兵が常時監視しているという危険な状況なのです。
 イスラエルとパレスチナの抗争が続き、一触即発の状態であります。そのため、私たちも危険であるからと、嘆きの壁や岩のドームの近づくことができませんでした。


旧市街を監視する兵隊


その紛争の原因の一つは、エルサレムからパレスチナ人住民が追い出されていることです。
 1948年イスラエル建国以来、エルサレムの地域からパレスチナ人を追い出し、ユダヤ人がどんどん住み着いているそうです。

パレスチナ人が自宅を増改築する時には、役所から許可証をもらわなければなりません。
 その申請に日本円で200万円かかるそうです。つまり、政府は建て替えさせないつもりなのです。もし増改築・新築建物を発見したら違法物件と取り壊すのです。

そのように段々パレスチナ人が住みにくい環境になっています。
 旧市街を見渡すと、その背後にコンクリート製の壁が見えます。イスラエルがテロを防ぐために建設した壁であります。

次回は、この分離壁についてご報告をいたします。


*参考文献
「パレスチナが見たい」森沢典子


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